まず相反する2つの意見を左右それぞれの手の上に置きます。そして、双方からそれぞれの言い分を確認し合い、最後に右手と左手をぎゅっと合わせて(スクワッシュさせて)自分の中に取り込むことにより、潜在意識下で双方にとって矛盾しない第3の方法を導き出すのです。
個人的に私が過去に試したものに「毎日早くベッドに入ってたっぷり寝たい」というものと「平日の夜も次の日のことを考えないでゆったり過ごしたい」という2つが矛盾する問題を扱ったものがありましたが、自分の中に取り込んだ直後に「やるべきことはテキパキと済ませるが、毎日ちょっとでも夜にゆっくりとできる自分の時間を持つ」という意見が頭の中に閃きました。これに従ってみると、本当に先に述べた2つの意見を満たすことが出来たのです。
皆さんも2つの意見の間で迷っているときはぜひ試してみてください!2つの意見の中にある、自分が大事にしたい本質的な要素が見えてきますよ。
自分の考えや経験、概念などをより包括的な大きな部分として捉えたり、分割してより現実的な小さな部分として捉えなおしたりするという概念です。チャンクとは“かたまり”という意味で、かたまりを大きくまとめたり小さく分割したりするという例えに由来しています。
例えば高校の部活で、先輩と後輩が部室で話しているのを想像してみてください。「腹へったなあ、おいっ!○○、なんか食いモン買って来―い」 ○○はコンビニに走っていき、「あっ、これこれ!」と板チョコレートを3枚わしづかみにして戻って来ました。先輩は「おっ、帰ってきたな。」と上機嫌なのもつかの間、差し出された3枚の板チョコを見てカンカンに怒り狂うでしょう。「バカヤローッ!ざけんな!オレは腹が減ってんだよ。チョコなんか食えっか!」
しかし、確かにちょっとピントがボケているかもしれませんが、この後輩は間違いなく「食べ物」を買ってきたのです。ただ、この後輩の「食べ物」に対する概念が通常より大きかっただけなのです。もし彼が先輩に命令された時に「食べ物」のチャンクを「運動して腹が減ったときにしっかり食べたい食べ物」というところまで細かく下げて見ることができればこのようなことにはならなかったでしょう。
このように、物事に取りくむ際には丁度良い大きさのチャンクの考え方や目標などがあるようです。これは人によっても違うので一概には言えませんが、例えば仕事などに取りくむ際に適切なチャンクでの目的意識を持つことによって、より効果的に働くことができるようになります。意識的なチャンクのアップ・ダウンは皆さんが人生を生きていく上での大きなサポートとなるでしょう。
外は雨が降っています。さて、あなたは窓から外を見てどう思いますか?「雨か。なんだかイヤだなあ」と感じるでしょうか?それとも「何だか雨に濡れた景色も素敵だなあ」と思うでしょうか?
お気づきのように、私たちは何かの状況に対してある種決まった意味付けをしています。それは例えてみればある状況に対して特定の色のいろめがねをかけているようなものです。カンの良い方ならもうお気づきかも知れませんが、それでは違う色のいろめがねを通して見たらどうなるでしょうか?
このように、ある状況に対する意味付けを変えることを意味のリフレーミングといいます。これを行なってみるとわかりますが、意味付けを変えるだけで私たちの人生はガラッと変化します。これを読んでいて、自分の意味付けが批判的な傾向にあるなと思った方、今度は自分を振り返ってみて、その「批判的」な思考をとることが役に立つ場面を考えてみてください。
ひょっとしたらあなたが重要な決断をするときには、「あらゆる局面を想定し、ベストな選択をする」重要なリソースになっているかも知れませんよね?このように、ある場面では望ましくない考え方などを、それらが望ましい別の状況に当てはめることを状況のリフレーミングと言います。
これをおこなうことによって、自分が持っているものに対して、自分では気づいていなかった肯定的な活用を意識的に出来るようになります。人間はこのようにフレーム(枠組み)を変えるだけで世界を変える力を持っているのです。コースではさらに一歩踏みこんで、望ましくない行動や思考、感情などを変化させるスキルをお教えします。
御存知の通り、人間というのは普段の生活の中で五感を通して外部世界を知覚しているといわれてますよね。もちろん“第六感”という言葉は良く使われますし、本当にあるのかも知れませんが、とりあえずこのお話しでは除外しておきます。
さて、この五感(NLPでは嗅覚と味覚は大きな意味での身体感覚に含めてしまうので三感といってもよいのですが)、何かを知覚する際にはそれぞれの感覚で認識されるさらに細かな構成要素に分けることができます。これらのことをNLPではサブモダリティー(従属要素)といいます。例えば視覚、見るということを考えたときには“色”、“明るさ”などがサブモダリティーになります。
そして、ここからがスゴイところなんですが、これらのサブモダリティーを変化させることで経験の“質”がまったく変わってしまうのです。簡単なデモンストレーションを紹介しますので試してみてください。
まず最近あった楽しい出来事についてじっくりと思い出してください。印象的なシーンを思い浮かべてみると良いでしょう。楽しかったことが鮮明にイメージできたら、そのイメージを小さく小さく、まるでテレビをずっと遠くから眺めているようにしてみてください。印象に何か変化はありませんか?恐らくほとんどの方が、何だか楽しい気分が冷めていった経験をしたと思います。
NLPを使えば、このようにして嫌な経験や記憶も短時間で変化させてしまうことが可能なのです。NLPがセラピーの強力なツールとして威力を発揮している理由もお分かりいただけるでしょうか?
小さいころ、母親の機嫌が悪いときは気配で察知して近寄らないようにしたとか、お付き合いしている相手や結婚相手の声色でなにかイヤな予感を感じてしまうってことありますよね。こういうとき、私たちはなにがしかの情報を無意識のうちに読み取っているわけです。
私が小学生の頃、いつも姉の機嫌の悪いときに八つ当たりされていたので、姉が怒っているときは足音で分かるようになりましたが、このような言葉以外のサインのことをキャリブレーションといいます。例えば身体の動きがぎこちないと何かうしろめたいことがあるんじゃないかとか、声のトーンがいつもより低かったりテンポがおそかったりするとおこっているんじゃないかとか、そういうことです。
例えば初対面のAさんとBさんのことを考えてみましょう。AさんがBさんを食事に誘うとき、「何が食べたいですか?」というあたりから質問していくかと思いますが、奥ゆかしいBさんは「何でも結構です。」と答えます。そこでAさんは「焼肉はどうですか?」と聞きます。するとBさんはちょっと低いトーンで「そうですねえ」と答えます。それを聞いたAさんは焼肉ではないなと考え直し、「イタリアンは?」とたずねてみました。するとBさんの顔がパッと明るくなり、「そうですねっ」と今度は弾んだ高い声がかえってきたのです。それを見たAさんはBさんの同意を得たと確信することができました。
さて、私たちは普段自分の周りの人間には自然にキャリブレーションを取っていますが、これは意識的に訓練することによって誰に対しても使えるようになります。このようにキャリブレーションをキャッチする能力が高くなればなるほど、物事が望む方向に進んでいるかどうかの判断が正確になり、円滑なコミュニケーションを生み出す事が出来るようになるのです。
コミュニケーションが上手な人達を観察した結果に生まれた、相手との信頼関係(ラポール)を素早く確実に作るためのスキルです。具体的には相手の動きに自分の動きを合わせることで行います。例えば仲の良い人同士は無意識のうちに同じタイミングで動いたり、同じテンポで話していますね。
私たちはふだん何気なくこのようなことを行っています。特定の仲間や相手と同じような言葉遣いで話すとき、これは特定の仲間、相手とラポールを創っているのです。もちろん人間は様々な情報を読み取る力があるので、悪意を持ってこのようなことを行ってもうまくはいきませんが、ペーシングを意識的に行えば、原理的には誰とでもこのような関係を築くことが出来る訳です。