芸術と哲学が奇跡の融合ー究極のエンターティメントの誕生 1998年11月、インターネット上に突如として姿を現したウイングメーカーは、最初の3年間で延べ200万Hitを記録、瞬く間に全世界を席捲し、激しい論争を巻き起こした。 綿密に練り上げられたフィクションに過ぎないと言うもの、巧妙なディスクロジャーであるとみなすもの、はたまた陰謀説を唱えるものなど百説噴出し、様々な憶測がインターネット上を飛び交い徹底的な議論が繰り広げられた。ウイングメーカーはその苛烈な論争の炎を絶え凌ぎ、今なお熱狂的なファンを生み出し続けている。 にわかには信じ難い余りにも壮観な内容ではあるものの、洗練された芸術性と精神的価値、そして人々を魅了する強烈な物語性を兼ね備えた深遠な世界観をウイングメーカーは内包していたのである。 長い論争の果て、世界の聴衆が真贋論争を超えてウイングメーカーを遂に受け容れたとき、ウイングメーカー・マテリアル中最大のボリュームを誇る珠玉の物語が匿名のソースより与えられた。 それこそが、「エンシェント・アロー・プロジェクト」という名の神秘のベールに包まれた物語なのだ。
ー各国政府は既にETの存在を知っている!? 1940年、数機の墜落UFOが無傷のまま回収された。地球外の宇宙船のテクノロジーの入手と保護、分析を行うため、トップ・シークレットである「政府特別プロジェクト研究所」の内部に、新たな組織を設立するための政府特別予算が認可された。 その組織は、アメリカ政府の全ての研究所の中で最も秘密の存在であるという如何わしい名誉が与えられていた。 カルフォルニアのパームスプリングス近隣の高地砂漠に位置し、強固な城砦と化したその秘密の施設には、事前のセキュリティー・クリアランス保全許可認定審査を受けた政府の研究所の一流の科学者たちが収容されていた。 ETインペラクティブ緊急事態と1950年代に呼ばれたものは、アメリカ政府、ひいては惑星全体の安全保障に対する重大な問題であると見なされていた。 そこから発見されたものは何であろうとも、回収されたエイリアンのテクノロジーを分析し、ミサイル技術や誘導システム、レーダー、戦闘機、偵察、そして戦争と諜報の舞台を支配するためのコミュニケーション・システムに応用する方法を発見していたという嫌疑がACIOには向けられていた。 1950年代には、数機のエイリアンの宇宙船が内部にエイリアンが生きている状態で回収された。 この重大事件は、アメリカ合衆国だけではなく、ソビエト連邦や南アフリカでも起こっていた。 ボリビアでのそのような事件の一つにおいて、才知溢れる電子工学の専門家であったパウロ・ネルダは、墜落したUFOから若干のナビゲーション装置を回収し、テクノロジーの帰属とその使用、及び自身の雇用を交換条件にACIOへの加入交渉に成功した。 パウロ・ネルダと、その4歳の息子であるジャミッソンは1955年にアメリカ合衆国市民になった。 彼の息子であるジャミッソンは、父の死後の直後にACIOに加入し、言語学と暗号化技術、そしてデコーディング・テクノロジーの第一人者となった。 若きネルダは言語の天才であった。コンピュータであろうが、エイリアンであろうが、人間であろうが、その相手は問題ではなかった。 彼の才能は、宇宙人との相互作用においてACIOに不可欠なものとして見なされていた。 1950年代における生きたエイリアンの回収は、ACIOに新たなアジェンダを生み出した。 テクノロジー・トランスファー・プログラム(TTP;技術転送プログラム)は、ゼータ・レチクルとコルテウムという2つの別個の宇宙人から生じたものである。 そのET種族のえり抜きのテクノロジーが、様々なサービスとの交換条件のもとにACIOに提供され、その恩恵がアメリカ政府や他国の政府によって社会に普及されていった。 ACIOは、ゼータとコルテウムとのTTPから発生したテクノロジーの保管倉庫であり、情報処理センターだった。 ACIOのアジェンダは、それらのテクノロジーを非軍事用の有用なテクノロジーに転換することに拡大され、それが民間と公共の両方のセクターに展開された。 集積回路やレーザーのようなその時代以前にはなかったテクノロジーは、ゼータとコルテウムとのACIOのTTPの結果の一部であった。 ーイントロダクションより エンシェント・アロー遺跡の驚くべき発見譚 ー全てはニューメキシコから始まった ジャミッソン・ネルダは驚きに目をみはっていた。卓上スタンドの光芒の下に、掛け値なしの謎が横たわっていた。 それは北ニューメキシコのチャコ・キャニオンの近隣に位置する砂漠で一週間前に発見されたものだった。3日間の徹底調査を終え、彼はその人工遺物がとんでもない代物であることを確信していた。 ネルダはその異常な人工遺物に関する書類のメモを既に山のように積み上げていた。この人工遺物を発見した学生らによれば、その主たる特徴は人工遺物を持つか触れるかしたときに幻覚作用を誘発するということだった。しかし、どんなに彼が試してみても、幻覚らしきものを誘発させることができなかった。恐らくは、その2人の学生はドラッグの影響下にあったのだ。彼はそう推測していた。 それが幻覚作用の妥当な説明だった。それでもなお、この人工遺物がこの世のものではない異様な存在感を醸し出していることには誰も異論を唱えることができなかった。 午前2時だった。ネルダの黒い瞳は眠気に霞んでいた。チャコ・キャニオンで発見された物体の上に描かれたヒエログリフと、古代シュメール文字とニリアー・B・スクリプトの類似したシンボルを比較したが、完全にマッチングするものは一つとしてなかった。3日間の比較分析の後、ネルダはこのヒエログリフはこの地球のものではないという結論に達しただけであった。 彼のレポートの表紙にはその結論と同じ単語が並んでいた。 ネルダは眠い目をこすり、顕微鏡を覗いて金属を思わせる銀色の表面と、赤銅色のシンボルを再び調べた。 その人工遺物にはまるで中枢神経のように結合した小さな脊髄のような突起物が無数にあり、8センチから10センチの間隔でその物体の上の23種の象形文字の一つ一つに伸びていた。 その人工遺物の大きさは幼児の靴箱くらいであったのだが、物体の重さが最高級のスイカよりも重く、鉛に匹敵する密度を持っていた。しかし鉛とは違い、その物体の表面はネルダや彼の同僚のあらゆる調査を受け付けず、内部構造を知ることは不可能だった。 恐らく、ネルダを魅了したものは、その象形文字が良い状態で残っていることだった。或いは、そのラインの絶妙さだったかもしれない。ネルダはこれほど洗練された暗号的な文字の表記をかつて見たことがなかった。いずれにせよ、それもこの人工遺物が物を言わないことの皮肉さを増しているに過ぎなかった。 ー第一章「砂漠の発見」より 脱走科学者の名は変更された ー新たな展開、そして深まる謎の数々 前作は序章に過ぎなかったーこの言葉を冠するに、ウイングメーカー「エンシェント・アロー・プロジェクト」以上に相応しいものはあるだろうか? 作品全体に渡って固有名詞や時事系列などが前作とは異なっていることに読者はまず気付くだろう。
そして、「なぜ小説なのか?」という当然の疑問を読者は抱くだろう。その疑問に対する説明の一つとして、この物語がSBL〜sensory bi-location〜という非常に特殊なリモートビューイングによって収集された情報がもとになっていることをまず指摘しておきたい。 「エンシェント・アロー・プロジェクト」は、全体としてはSFのように思われるかもしれないが、この物語の中で描かれている人物の性格や動機、事件、テクノロジーは実際に起こった現実の物事に基づいており、そして何よりもウイングメーカーの存在とその正体に関する記述は極めて正確であるとされている。 この美しくも世にも不可思議な物語は、形而上学、遺伝学、心理学、そして宇宙論の領域で人類を待ち受ける深遠な発見に導く未来のヴィジョンへと読む者の心を拡張するだろう。 ー研究家Shimaさん記 「ウイングメーカー2」に戻る |
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