インタビュー『「幸せ感応力」が目覚める!SIQトレーニング』

SIQとは、栗原氏が提唱した幸せな成功への人間力であり、IQ(知能指数),EQ(感情知能指数),SQ(スピリチュアル知能指数)による総合的知性を表します。90の質問に答えるテストで各要素を数値化し、自分の現時点での能力を知って高めていくのが、SIQのメソッド。その際、ビジョン心理学の手法が大活用できます。SIQシステムを構築し、すでに海外で高い成果を上げている栗原英彰氏に、本トレーニングについて詳しく伺いました。

スタッフ

まず、栗原さんがSIQトレーニングを構築されたきっかけは何だったのですか?

栗原

SIQは、IQ(知能),EQ(感情),SQ(スピリチュアリティ)の3つの要素から構成されています。IQは学校で受けるテストなどで一般的ですが、EQは89年以降広く知られるようになりました。このEQのトレーニングを行うEQジャパンが、私が日本代表を務めるビジョン心理学に興味を持ってくださったのが、そもそものきっかけです。EQを伸ばすのにビジョン心理学が非常に役立つと言われ、私と妻(同じくマスタートレーナーの栗原弘美氏)がEQ検査を受けたところ、2人ともオール5という結果が出たんですね。私は昔、結構短気で感情が抑えられないタイプだったんですが、ビジョン心理学を18年くらい学んだ後だったので、その効果が数値で表されたのだなと。

その後、EQトレーニングを提供してきた中で、もうひとつ「SQ」という概念、スピリチュアリティを大切に扱うという要素が欠かせないことを実感しました。そこで、SIQという3要素をバランス良く高められる、統合的なトレーニングを提供したいと思ったんです。

スタッフ

SIQをそのまま「成功知能指数」ではなく、「幸せの知能指数」と表現するのはなぜですか?

栗原

「成功」という言葉は、すごく誤解されるということが分かったからなんです。世の中でいう「成功」は、例えば年収とか家、車、社会的な地位のような、外的な要因によって得られるものというイメージがあると思います。でも実際にそういった外的な成功が、必ずしも内的な成功、つまり心の充足感とイコールであるとは限らない。

ここ10数年、何万人という人に関わってセミナーや研修をしてきましたが、参加される方の共通の目的は「幸せ」なんですね。不幸になるために来られる方はひとりもいない。ビジネスで成功したいという人でも、なぜ売り上げを伸ばしたいか、会社を大きくしたいのか聞いていくと、最終的には「幸せ」につながる。私は、このSIQを伸ばすことが自分の幸せに行き着く、というシンプルさに気づいてこういう呼び方をしています。

スタッフ

なるほど。外的・内的成功=幸せという状態を目指すトレーニングなんですね。

栗原

その通りです。「幸せとは何か」とは、この地球上に65億人いたら65億通りあると思います。でも例えば、ある人にとっての幸せが経済的豊かさや社会的な成功だとして、それが実現しても、幸せだと感じられない人がいます。これは、私自身が経験したことなので、よく分かるんです。

私は、自分が社会人になる時に、いわゆる外的な成功目標を立てたんですね。その目標は、10年で達成することができました。ところが全然幸せじゃなかったんです。それは、当時の夫婦関係、家庭というものが破綻していて。やっと目標を達成したにもかかわらず、何で幸せじゃないんだろうということが、本当にショックだったんですよ。それで、友人の経営者たちが自殺をしたことなどがきっかけで、私はビジネス界をいったん退き、心の問題を追及していきました。しかしその時は、ビジネスの目的を営利目的だと勘違いしていたので、ビジネスには愛がない、と極端に全部投げ出してしまった。しばらくして、ビジネスの目的も「幸せ」なんだという重要なことに気づいたんです。だから、外的・内的どちらの成功も大事、バランスが大切なんですね。

スタッフ

その、物質的なものをいくら手に入れても満たされない、幸せではない人というのは、何が問題なのでしょうか?

栗原

それは、「幸せを感じる能力」が目覚めているかどうかがカギです。よく、大人になるにつれて味覚が目覚めてくると、子供の頃嫌いだった食べ物がおいしいと感じられることがありますよね。それと一緒で、SIQというのは「自分が幸せだと感じる能力」なんです。

昨年発表された世界約100カ国の「幸福度調査」(81年〜07年・35万人に実施)によると、日本はなんと43位。経済的には世界トップと言っていいほど恵まれているのに、幸せを感じている人は少ないらしい。日本人は、周りに何かが足りなくて幸せを感じられないのではなくて、感じる能力そのものが低下してしまっているのかなと思ったんです。

そこで、SIQのアイデアをひらめいたとき、これは総合的に幸せを感じる能力・感覚の高さをみることができる、良いツールになると思いました。しかも既に開催していたEQトレーニングで、受講者のEQ値が確実に伸びるという結果が出ていて、手ごたえを感じていたんですね。

スタッフ

90の質問に答えるという、SIQ検査の特徴を教えてください。

栗原

SIQ検査は、理解、許しなどの18の要素で構成されている、自己診断テストです。要素別ではなくランダムに並んでいて、設問の内容は、どの要素について聞いているか回答者が判断できないように配慮してあります。また、短時間で即答していくので、意図的なものが介入しづらいんですね。自分では、普段気づかない本質的な部分、潜在意識にある部分が浮かび上がってくる。EQトレーニングの時もそうでしたが、「えっ?」と驚くような意外な結果が出ることが多いようです。

例えば、表面的には自分は人に対して柔軟に対応していると思っていても、潜在意識では相手を判断したり拒絶しているとしたら、それがはっきりとレーダーチャート(項目ごとの結果を表した円グラフ)に反映されます。そのことで、自分はどの要素が、どの幸せの味覚が未発達なのかなとまず気づくことによって、心の自然治癒力が発動するわけです。

スタッフ

低い要素を自然に伸ばそうとするんですね。SIQの要素が低い、高いというのはどんな感覚なのか、もう少し具体的に聞かせていただけますか?

栗原

例えば、要素の1つに「許し」というのがあります。経験がある方も多いのではないかと思うのですが、相手が何か間違いをして、すごく腹が立つようなことがあったと。私も昔、自分では気づいていなかったですが、この「許す」という要素が非常に低かったんですね。それは何か酸っぱいという味が分からないのと同じで、酸っぱいがうまいと感じないんです。許すという感覚が、愛の感覚だということが分からない。だから無意識的にも相手を責めますよね。

スタッフ

感覚が目覚めていないから、味わって使うことができない・・・。結果、人間関係がうまくいかないと。

栗原

まさにそう。皆本来は持っているんですが、目覚めていない状態では、使いようがないんです。SIQ検査が画期的なのは、その自分では無自覚な感覚というものを発見できる点です。この18の要素すべてが、私たちに与えられているギフトだと捉えます。問題探しをするのではなくて、今後伸ばしていくべき能力を見るわけです。

あなたに与えられているギフト、才能を伸ばして分かち合うと、あらゆる問題が癒されます。あなたのギフトを周りの人に与えることが、幸せにつながるという、これはビジョン心理学の考え方で、私が気に入っている原則の1つなんですね。このセミナーでお伝えするどのレッスンをやったとしても、不思議なことに全体の能力に影響を与え、バランス良くSIQがアップしていきます。

スタッフ

現在、アジア各国でこのSIQトレーニングが成果を上げているそうですね。

栗原

はい。台湾、香港、マレーシアで、多くの人がSIQによってダイナミックな成長を遂げています。奇跡的に短時間で大きなシフトが起こったケースや、パートナーシップの劇的な改善が見られたケースなど、本当に私の方が驚かされます。

また台湾で起きたことというのは、最初のSIQベーシックを受講されたカウンセラーやセラピスト、経営コンサルタントの方などが、その効果に感激して、「これを自分のワークショップやセッションに活かすことができたら、どんなに良いか」という反響があったんですね。プロであればあるほど、SIQの有効性をすぐ発見してくださって。

というのも、カウンセリング等ではまず、そのカウンセリングで「何を扱うか」を明確にする導入部分が重要になりますね。「その方の問題は何か」を突き止める際に、本人が言っていることが、必ずしも問題点だとは限らないわけです。例えば母親の問題ばかりを話すクライアントが、実はクライアント自身の受容の低さだったり、ビジョンが持てないということだったりする。本人が認められないと、その核心にたどり着くのに何時間も、時には何日もかかることがあるんですね。

それがSIQ検査なら、数10分もあれば、クライアント自身が自分で自分の状態が分かるので。カウンセラーに一方的に言われるのと違い、自ら検査しているので否認しようもないですね。どの能力(要素)が足りないことで、問題を引き起こしているのかが分かると同時に、問題解決への糸口がすぐに見つかります。そして、クライアント自身も「自分で気づいた」という感覚で変わっていくことができる。

それで、台湾での反響が本当にすごかったので、まずこの「SIQコーチ養成講座」を日本に先駆けて開催しました。彼らの目覚ましい成長を目の当たりにして、私もSIQの素晴らしさと可能性を、改めて確信しましたね。

スタッフ

日本での開催が本当に楽しみですね。私の体験からですが、「受けると確実に良い方向に変化する」というのが、栗原さんのトレーニングのすごさだと思います。

栗原

それはもう、本当に変化や成長を実感して、フィードバックしてくださる方が大勢いて。そのことで私自身、非常に喜びを感じます。幸せになることに意欲のある方なら誰でも、このトレーニングで学んだことを実践すると、歴然とした成果が表れてくるでしょうし、さらに自分の成長を確認したいという場合にも、SIQ検査が使えます。客観的に自分の成長が確認できると、人というのは非常にやりがいが出るんですね。幸せを感じる能力が上がるだけではなくて、さらに自分自身に幸せを呼び込むような行動力につながる。そして、ハートが開いてどんどん魅力的になっていきますよ。